oek sound "soothe"を導入しました
あんまり聞き馴染みのないプラグインですが、
oek soundの「soothe」を導入しました。

パッと見EQに見えるプラグインですが、実は他にはなかなか見かけないタイプのプラグインでして。
公式ページの説明を引用すると、
"Dynamic resonance suppressor for mid and high frequencies"
…とのことです。
いや、なんだよそれ!
簡単に自分の言葉で説明してしまいますが、
ドラムのシンバルやアコギ、ボーカル等のハイの伸びがある素材って、大体上の方に不快に尖った帯域が出現してしまうんです。
ミキシングエンジニアはその不愉快な音を非常にQの狭いEQでカットするのが日常のひとつとなっています。

でもまあコレ、不愉快な帯域に耳をフォーカスしなければいけないので普通に疲れるし、大体の場合そういう帯域ってその近くに楽器としての「美味しい」ポイントもあるんですよね。
なんでコレ割と大変なんです。
でも、自分の中では最重要テクニックのひとつと位置づけて研究を進めている部分でもあります。
とはいえ、シンバルのようにある程度常に一定の音であればこういった形での処理もおおよそ可能なんですが、
ラインで録ったアコギや喉で歪ませるタイプのボーカルは常に音階が変化する(=不愉快な音も上下したり、そもそも出現したりしなかったりする)ので、場合によってはEQで対処するのが難しいこともあります。
そういった「耳触りな帯域」を自動で処理してくれるのがsoothe。
EQのように見えるカーブは帯域への感度の設定(L3-16のような感じ)。
あとはリダクション量、ポイント数の調整、プラグインそのものの感度を設定してあげれば、
うるさかったシンバルの4kも、突然出てくるエレアコの15kも、あんまり音作りの上手くないギタリストの弾いたマーシャルから攻撃的に出された2.5kも、一発でほぼほぼいい感じにしてくれます。
かなり強力な効きをするぶん、wetコントロールやstereo linkの数値も選べるようになっており、少し過剰にカットしてからwetを下げてニュアンスを戻す、みたいな使い方も可能。
音階の変化する楽器はもちろん、シンバルも16インチや18インチ、あるいはライド、ハットと全て出てくる帯域は変わってくるので、それに追従して処理してくれるのは非常に有難いですね。
もちろん全部が全部いい感じになるわけではなく、後からSlate Digital VTCでハイエンドを丸めたり、あるいは残ったピーキーな箇所を今まで通りFabFilter Pro-Q2で処理するのもいいでしょう。
あとはやっぱり強力に効く分、音の存在感まで削りやすいのは要注意ですね。
使ってみればわかると思いますが、音は基本的に後ろに行きます。
適用帯域をキチンと自分の耳で判断して、うまいことwetコントロールを併用していかないと、ただただ音が死ぬという結果にもなってしまいます。
しかし便利で強力で、時間と体力の削減に直接繋がるツール。
€149(記事作成時点で18,400円程度)とやや高額なので、セールを待ってみるのも一つの手とは思いますが、一度デモったら最後、多分戻ってこれなくなると思います…。ww
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