アソブンジャー「Jumble」エンジニアリングしました #blog1573
【実況者12人】Jumble / アソブンジャー【全曲クロスフェード】
EXIT TUNESからリリースされるアソブンジャー「Jumble」のTr.1-11の11曲をミックス/マスター処理、Tr.6,7,9,10の一部をボーカルレコーディングしました。
11曲!頑張りました!
書くこと沢山あるので、今回は曲ごとに箇条書きっぽく書いていこうと思います。
アルバムを通して
・タラチオさんが「メジャーCD出すことになりました」というツイートをしてたのでからかうツイートをしたら
こんな返事が来たので、さらにからかったら
「こ…こいつもしや…」と思ったらホントに年末にEXIT TUNESの担当の方から連絡が来た
・「実況者」というカテゴライズでナメられるのが癪なので、いわゆるアイドル的な声を完全に前面に出すようなミックスは一切せずに、楽曲を創るためのミックスを目指した。ケロるようなエディットはなるべく排除して、本人たちの出し切ったニュアンスをなるべく活かした
・実はコレは曲順にも反映されていて、リードトラックのTr.2に「生きてるおばけは生きている」のガチデスボイス。レコードのA面/B面の名残から折り返し(Tr.7)に置かれることがあるリードトラックに、独自色を最大限出しながら完成度の手応えが強かった「フィクサー」を置く等、完成したものは紛れもなく"音楽CD"になった
・常に面白さや表現の的確さを要求される実況で名を上げただけあって、皆が皆センスの塊だった
・超楽しかった
・タラチオさんありがとう
Tr.1 CITRUS
Orangestarさん
オケ: 2mix
・今回最も「作品」として仕上げるべくボーカルを引っ込めたミックスをしていて、コレを1曲目に持ってきたのはホントに先述の理由が出てるなあと思う
・それが出来たのは何度も一緒にやらせてもらったタラチオさんとmegaさんだからこそ
・2mixの段階でかなり音圧が稼がれていたので、無機質なオケの美味しさを活かせるように奥行き感に注意を払った
・台詞部分の音割れをあえて多少残してみたりと、アーティスティックな要素が最も強い仕上がりになった
Tr.2 生きてるおばけは生きている
鬱Pさん
Vo: こいろ(5)
オケ: 2mix
・正直このツイート見た時にすげー期待してたんだけど、

というタラチオさんからのSkypeで確信に変わった
・なんか知らない人の声と知ってる声(幼稚園児)と知ってる声(デスボ)の3人いた
・鬱P氏の激エグサウンドにまともなミックスで相対してもしょうがないので、タラチオさん共々とにかくメタル好き同士で好き勝手やり散らかした
・新兵器のJHudStudio Vocal Kingに大活躍してもらって、ぶっとい声と最大限のパンチに
・さすがにメジャーCDでコレは正気じゃないなと思ってEXIT担当者の方に聞いてみたら「あ、その曲は完全に任せます」と言われたのでやれる所までブチ込んだミックスで仕上げた
Tr.3 チェチェ・チェック・ワンツー!
和田たけあき(くらげP)さん
オケ: 2mix
・自分の代表作のひとつ「スプライト開ける夜に」のギターでお世話になるなどご縁のあるくらげPの楽曲で、ミックス着手も最初だったのでかなり気を引き締めて作業した
・サビのギター/シンセのフレーズを原曲よりも活きた状態で完成させたいと思ってミックスしてた
・メイアンさんの抜けのある声と鳴海さんの太く優しい声がある意味対照的で、同じステージに配置させるような質感調整が実は結構難しかった(やり切れたはず!)
・ディレイの飛ばしを随所に入れたりでオケとの親和性をかなり意識した
Tr.4 エイリアンエイリアン
ナユタン星人さん
オケ: ステム
・ステムを頂けたので、より音圧感や生音感を重視した腰の低いサウンドに
・二人の掛け合いを活かすためにパン振りや仕掛けを仕込んだり、オケにも一部手を加えたりして楽曲を聞き慣れた人でも新鮮に感じられるように頑張ってみた
・なんだかハモリが聞き慣れた声がする…?(CDを買ってよく聞いてみよう!)(ダイマ)
Tr.5 はやくそれになりたい!
キノシタさん
Vo: mega
オケ: パラデータ
・お、パラデータ頂けてる!さてどんな感じかな!→シンセトラック19個→いくえ不明
・オケの物量が空間をしっかり埋めているタイプの曲だけど、しっかりボーカルがオケ中で鳴るようにサミング/グルー感を重視しながらミックスした
・トラックの多さが仕掛けの多さに直結していたので、原曲以上にそれをしっかり伝えられるように意識した
・megaさんの声域どうなっとんねん
Tr.6 デリヘル呼んだら君が来た
ナナホシ管弦楽団さん / 岩見 陸さん
オケ: パラデータ
・ズズさんとはじめまして
・録り前の腹ごしらえでマックを食べた後、ゴミの紙袋をなぜか脇で潰していたタラチオさんを見て:
つこ「脇握り先輩じゃん」
タラチオ「…脇握り"先輩"がいるってことは後輩がいるってことだよな?」
ズズ「膝裏潰し後輩」
「「「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」」」
・というのを最初にぶっ込むぐらい、ズズさんは笑いの絶えない空間を作る人だった。文字では伝えられない何かを持っていた
・「真面目に歌ったらプロに勝てるわけないんだから、全力でフザけろ」という指示のもとレコーディングをスタート
・自分とタラチオさんがディレクションする以上避けられない運命である「歌い方がパンクやメタルに寄ってくる」のが存分に発揮され、無事パンクな仕上がりに
・「チェンジチェンジチェンジ!!!」
タ「なんかさ、もっと全身全霊で嫌がって」
「チ゛ェ゛ン゛ジ゛チ゛ェ゛ン゛ジ゛チ゛ェ゛ン゛ジ゛ィ゛ィ゛ィ゛!!!!!!!!!」
つ「叙情ハードコアだ…」
タ「わかる」
「「はい今のOK!!」」
・Loiさんとはじめまして
・「ズズさんがヤバいのぶっ込んできたから負けずにブチかましてくれ」
「チ゛ェ゛ン゛ジ゛チ゛ェ゛ン゛ジ゛チ゛ェ゛ン゛ジ゛ィ゛ィ゛ィ゛!!!!!!!!!」
「「はい今のOK!!」」
・二人とも結局高音部でシャウトにチェンジする等全力でパンクロックした
・パラデータのミックスは最も得意なバンドものロックだったので、今まで培ったテクニックで踊れるドラムとギターの壁にぶっといボーカルを合わせた仕上がりに
・ネタを挟まないと死ぬ病に羅患しているmegaさんがしっかりブチ込んでいるのでCDを買ってよく聞いてみよう!(ダイマ)
Tr.7 フィクサー
ぬゆりさん
オケ: 2mix
・複雑なメロディとリズムに翻弄され、Loiさんまさかの大苦戦
・何度もガイドを確認しながら時間を掛けてレコーディング。丁寧にやっていった結果とってもいいテイクが揃った
・レコーディング後あまりの疲労に何を話してもまともに返事のできないLoiさん(本当にお疲れ様でした…)
・ひよりんさんとはじめまして
・独自色を強く出せると密かに期待していたラップの完成度がかなり高く、楽曲を全力で彩ってくれた
・タラチオさんの発声指導受けたらなんとEまで(≒多少高い女性ボーカル並)出した
・という会話が繰り広げられた
・ひよりんさんのハモリがLoiさんのリードをしっかり支えた結果録りの段階で素晴らしい出来、立ち会った全員がリードトラックにすることを満場一致で決定
・ハイがしっかり伸びたオケだったのでSootheである程度均しつつ、Gain ReductionとVocal Kingの合わせ技でオケのボリュームに負けない張り付いた声に
Tr.8 いーあるふぁんくらぶ
みきとPさん
オケ: パラデータ
・えっいーあるふぁんくらぶのパラデータ!?マジで!?と個人的に興奮しながらのミックス
・そこまで重くはないキックをきちんと4つ打ち感が出るように配置したり、中華系パーカッションをしっかり仕掛けとして機能するよう目立たせる
・ベースがすごく魅力的なフレーズを弾いていたので負けじと目立たせる
・一番頑張ったのは無駄に荘厳な感じにしたかけ声のリバーブ感
(参考音源)
Tr.9 テオ
Sakuraiさん / Omoiさん
Vo: タラチオ
Rec: タラチオ
オケ: 2mix
・長い付き合いなのでレコーディング時お互いに遠慮なく意見をぶつけまくる上、それを制御する人もいない完全な"制作モード"に入ってた
・タラチオさんがほどほどの手応えを感じれば「ちょっとココの部分のピッチが甘い」、自分が「良いじゃん。こっちは全然OK出せるけど」と言えば「いや…あと1回やらせてくれ…もう少し、もう少しで"歌"になるんだ…」とシビアながら割と平常運転な返事
・結果メイントラックを録るのに3時間以上
・別日のハモリトラックの録りの際にも妥協なく追求して、その場にいたひよりんさんと打ち合わせに顔を出してくれた紺色。さんに「お前らヤベーな」という顔をされる
・録りが終わった後、タラチオさん共々Loiさん化(先述の疲れ切ってフラフラな状態)(今回の録りの時なぜかタラチオさんとの間で定着した)(Loiさんごめん)して命からがら終電に乗る
・ミックスはもういい意味でいつも通り、お互い信頼した音を出して完成
・「録りの時はちょっと不安なぐらいだったのに、ミックス聞いたら想定の5000倍よかった」と"逆賢者タイム"にお互いが突入するほどシビアにレコーディングした
・今まで経験した中で最も楽しいレコーディングのひとつだった
Tr.10 太陽系デスコ
ナユタン星人さん
オケ: ステム
・以前タラチオさん/megaさん/まおさんのコラボやひよりんさんの歌ってみたで2回ミックスしていて、今回が3回目と慣れ親しんだ曲
・ズズさんにもひよりんさんにも「全力でふざけろ」と言ったら案の定ぶっ込んでくれた(CDを買)(ダ)
・ひよりんさんのラップは自身の歌ってみたとは全編別物!(CD)(ダ)
・ステムを頂けたので、ギターの壁と厚みのあるシンセにリズムも音圧感を補強する処理
・ウォーオオー!の音圧感も非常に上手く行った
・Ashさん/Loiさんの伸びのある声とズズさん/ひよりんさんの一癖ある声を同居させながらオケ中にねじ込むミックス。オケが2mixでないからできた距離感
Tr.11 ゴーストルール
DECO*27さん
オケ: パラデータ
・自分が高校生の時からずっと好きだったDECO*27さんの楽曲で、もちろんゴーストルールも大好きだった
・まさかのパラデータが送られてきて手汗が止まらない
・任せてくれた以上思いっきりブチかましてやろう、と個人的に最も自由にミックスした楽曲
・原曲よりもバンド隊をメタル/ミクスチャー的なド音圧に仕上げて、重心をしっかり下げる。ギターをより重視してラウドロックな感じに。ドラムも割合は低いとはいえ少しトリガー素材を混ぜる
・DECO*27さんのトレードマークであるソーウェーブのベースも骨太に仕上げる。サビの裏で鳴るリードシンセもボーカルの邪魔にならないギリギリまで音圧感を出す
・スクラッチをあえてミックスのin the boxな感じから飛び出させてより仕掛け感を強調
・スネアのリバースリバーブも一回入れちゃったり、その他原曲にないエフェクトも追加した
・と、かなり自由にオケを骨太に組み立ててしまったので、ボーカルもGain Reduction中心にパンチを重視したサウンドに
・これは他の曲も例外ではないんだけど、最も強く、コンポーザーとしての自分が訴えたいゴーストルールを完全に再現した
思ったより縦に伸びましたね!いや!ほんと楽しかった!
各"ボーカルさん"のファンはもちろん、つこのミックスを楽しみにしてくれている人にも自信を持って勧められるCDになりました。
アソブンジャー - Jumbleは2018/2/7リリースとのこと!よろしく!